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神奈川新聞社DEI宣言2024


私たちの決意

 神奈川新聞社の歩みは、1890年の「横浜貿易新聞」創刊に始まります。港町・横浜には諸外国からさまざまな人が集い、多彩な文化や技術、価値観が横浜から全国に発信され、現在の日本社会の発展に寄与してきました。そうした文化・経済活動を支えるための情報紙であり、欧米諸国との不平等条約時代に弱い立場の横浜商人の自主自立を訴える言論紙であったことに、私たちの原点があります。以来、神奈川に根ざす新聞社として、地域の発展に努めてきました。

 現在、社会環境が急速に変化し、私たちは地域での存在意義を見つめ直す時期にさしかかっています。地域の求めるものを生み出しているか、それを生み出せる組織をつくれているか―。多様な価値観を認め合い、一人一人の力を最大限に発揮することが、質の高い報道・メディアを継続させ、地域への奉仕につながります。その上で、社会を構成する一人一人の違いが尊重され、包摂される、公正な共生社会の実現を促していく必要があります。

 この宣言により、私たちの行動と姿勢を明確にし、地域に必要とされる企業づくりに努めます。社内外のすべての人たちとともに成長し続け、DEIの精神を広めていきます。今までも、そしてこれからも、神奈川に集う一人一人の個性を尊重し、誰もが地域社会で心豊かに安心して暮らせる社会形成を目指します。

2024年5月1日
神奈川新聞社代表取締役社長
須藤 浩之



私たちが信じる価値観

 多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包括性(Inclusion)。私たちは、社内外に広めたいDEIの精神を以下のようにとらえています。これら三つが欠けることなく充足されることで、最大限の効果を発揮できると考えます。




6つの行動指針


民族、国籍、性別、性自認、性的指向、年齢、宗教、信条、病気や障害の有無、経歴、性格的特徴など、個人が持つあらゆる違いを尊重します。従業員個々の個性を受け入れ、働きがいを持てる環境をつくります。

すべての従業員が公平に機会を得られるよう、個々に合わせた支援を行い、公平な人事施策や職場環境を提供します。人事・評価制度や研修の仕組みを整え、従業員が公正な条件で働き、成長できるようにします。

自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して表現でき、従業員がのびのびと働ける環境を整えます。価値観や考え方の違いを歓迎し、相互理解を深めながら、個々の声が組織の発展に反映されることを目指します。

無意識の偏見が仕事や社会に影響を及ぼす危険性があることを認識し、克服するための機会を従業員に提供します。偏見や人種をはじめとした差別に反対する明確なスタンスを取り、排除するための取り組みを実施します。

社内外の言論の自由を守りながら、さまざまな事業活動を通じて地域社会でのDEI推進に貢献します。

具体的な目標を設定した上で、実施状況や達成度を定期的に評価し、公表します。


私たちの約束

 DEI推進の指標として、以下の数値の推移をトラッキングしていきます。年に1度DEIレポートとして公表します。



 社員の女性比率 個々の人権を尊重しながら責任を分かち合い、個性と能力を発揮するにはジェンダー平等が欠かせません。社員の女性比率は、多様なニュースや情報を発信する新聞社として、ぜひ高めていきたい数値です。

 管理職の女性比率 社員が個々の属性によって孤立せず、能力を最大限発揮できる組織づくりを目指します。新聞社は男性中心の社内風土と指摘されていますが、2030年までに管理職の女性比率が30%以上になることを目標とし、組織の多様化を図ります。

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神奈川新聞社の現在地

役員の女性比率 25%(2024年5月現在)

現在は4人中1人です。組織の意思決定層に多様な価値を持った人材を登用することは、ジェンダー格差を是正し、誰もが働きやすい職場になる第一歩と考えています。地域に信頼される組織であり続けられるよう、イノベーション創出を掲げています。

年次有給休暇取得率 40%(2022年度)

年次有給休暇は35日を付与しており、平均取得日数は14日です。業務が多忙だったり、申し出るのをためらってしまったりするケースもあり、さらに取りやすくなるよう、社内の制度や働き方の改革を進めます。

男性の育休取得率 24%(2022年度)

男女を問わず育休取得を申告しやすい職場環境を整えるべく、社内の制度や働き方を見直し、取得率向上を目指します。

新入社員の5年定着率(直近3年の平均) 93.3%(2021~23年度)

直近2年は100%を維持していますが、過去5年では70%に届かない年もありました。10年後も社員にやりがいを持って働き続けてもらえるよう、リスキリングの機会の創出や、社員の挑戦や学びを後押しする企業風土づくりを志向します。

従業員の男女給与比率 100:65(2022年度)

社員は100:85、非正規雇用者は100:72。社員の平均年齢は男性46.00歳、女性39.97歳。処遇が比較的高くなる高年齢層で男性比率が高いため、給与の差異が生じています。性別役割の分担意識や無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を取り除くため、職場の多様化に努めます。

障害者雇用率 2.5%(2023年度)

障害の有無にかかわらずあらゆる人が能力を最大限発揮でき、働きやすい職場環境の整備を目標にしています。

キャリア(経験者)採用比率 30%(2023年度)

新卒採用とキャリア採用で待遇差などはありません。従業員一人一人が経験や能力を発揮できる職場環境を見据えています。

ニュースサイト「カナロコ」読者の男女比 62:38(2024年度)

紙面やデジタルを通し、地域共生やジェンダー平等など「差別なき社会へ」をテーマに報道してきました。今後ますます、DEIの価値観を軸に、女性の地位向上や地域課題に寄り添う企画が求められます。主催事業などでもDEIを意識した取り組みを実践し、コンテンツ・サービスの多様化を図ります。


「神奈川新聞社DEI宣言」のロゴです。文字の水色が「透明性」、ネイビーが「信頼」を表し、宣言が地域の人々をつなぐ「輪」「希望の光」となれるよう太陽をデザインしています。ロゴを押すと、DEI施策に詳しい東京大学の林香里理事・副学長(国際・ダイバーシティ担当)と神奈川新聞社取締役統合編集局長・秋山理砂による対談記事に遷移します。